IoT/M2M 関連業務について

Wikipedia英語版より    
Wikipedia英語版より    

 かつてインターネット接続やデバイス間通信を行うには、PCやタブレット、携帯電話といった高価な機器が必要で、通信費用も高額でした。しかし近年、スマートフォンの普及・低価格化、MVNOによる低価格な移動体通信サービスの普及、iBeacon/EddyStone といった BLE (Bluetooth Low Energy)を利用した低電力近距離無線通信技術の登場により、様々な“モノ”が簡単にコンピュータ・システムに繋がるようになりました。こうした現象は、モノに対する視点からは IoT(Internet of Things: モノのインターネット)、モノとシステム間の通信やデータ処理の視点からは、M2M(Machine to Machine)と呼ばれます。

 

 現在、スマートホン、iBeacon/EddyStone 等のビーコン、Raspberry/Arduino 等のシングルボードコンピュータ等が様々なモノ(人・動物を含む)や空間に組み込まれ、モノの情報が自動的にサーバに送信され、加工・蓄積・利用されるようになっています。IoT/M2M の利用は、物流、小売・流通、運輸、製造、農業、インフラ等、非常に広範に及んでいます。

 

 当社ではシステムにより“モノ”を効率的に監視・管理したいというお客様に、IoT/M2Mシステムの提案、コンサルティング、開発、保守といったサービスを提供しています。

【図1:IoT/M2Mのイメージ】

“モノ”に組み込まれたビーコン・スマホはBLE/WiFi/LAN/インターネットを介してサーバに情報を送信する
“モノ”に組み込まれたビーコン・スマホはBLE/WiFi/LAN/インターネットを介してサーバに情報を送信する

IoT/M2M関連のプロトタイプ開発実績

 当社では IoT/M2M のシステムモデルを想定し、プロトタイプシステムを開発しています。表のリンクをクリックすると、モデルとモデルに基づき開発したプロトタイプの Blog 記事(別サイト)をご覧いただけます。

想定モデル 説明
Android による多数移動体管理モデル  Android を多数のトラック、自動車、人等に取り付け、すべての所在地を PC/タブレット画面のマップ上に表示するプロトタイプ。また、IoT に特化した低価格移動体通信サービス SORACOM の利用についても検証した。
iBeacon/iPad/FileMaker Go による定位置ビーコン監視モデル 倉庫等において iBeacon を物品に取り付け、物品の存否情報を iBeacon の電波の有無を以て判断するプロタイプ。 iPad/FileMaker Go(監視端末)が iBeacon の信号を失うと、データベースに消失を記録する 。
iBeacon/Raspberry Pi による定位置ビーコン監視モデル

大規模な倉庫や建物ではビーコンを監視するのに多くの監視端末が必要となるが、この時、前項のように iPad を監視端末に充てると、それだけで多くの費用が発生する。そこで本モデルでは廉価な Raspberry Pi を監視端末として使う。

IoT プロジェクトの進行フロー

 IoT/M2Mの開発プロジェクトでは、移動体通信、WiFi、Bluetooth といった無線通信を使用します。無線通信は使用環境や使用するデバイスの性能により結果が大きく異なることが多々あります。このため、当社では通常、本開発に入る前にプロトタイプ(試作システム)を作成し、これをテスト・評価することにより開発リスクを低減し、システムのスムースな導入を目指します。プロジェクトはおおよそ以下のようなフェイズに別け、進行させます。

フェイズ 説明

第1フェイズ

提案・要求定義

発注者のシステムに対する要望をヒアリングし、提案書または要求定義書を作成します。IoT/M2M 関連システムでは要求定義書に、ソフトウェア仕様に加え、各デバイス/端末の予定導入個数、通信条件、許容通信費、導入場所等も記載します。プロトタイプの仕様(システム全体の中で、どの部分をプロトタイプに落とし込むか)、テストする場所・環境も記載します。

第2フェイズ

プロトタイプ開発

発注者から要求定義書が承認された後、プロトタイプを作成し、発注者のご担当の立ち合いの下、指定の場所或いは環境でテストを実施します。テスト結果を踏まえ、プロトタイプの仕様を追加・変更して再テストを行うか、第3フェイズに進むかを判断します。

第3フェイズ

仕様確定・開発

プロトタイプのテスト結果を踏まえ発注者と当社間で協議を行い、当社にて仕様書(または「開発内容確認書」)を作成します。発注者の承認を得て、本開発に入ります。

第4フェイズ

部分導入

開発終了後、ハードウェア/ソフトウェアシステムの設置及びインストールを行います。中大規模システムでは、全社・全部門に一括導入するのではなく部分的に導入を行い、リスクを低減します。導入計画は要求定義または仕様作成時点から考慮しておくようにします。

第5フェイズ

全体導入

システムを全体に展開

利用するテクノロジーとデバイス

 IoT/M2Mプロジェクトにおいては、当社では以下のようなテクノロジーやデバイスを使用し、システム開発を行います。

iBeacon/EddyStone

Aplix社(黒)、Gimgle社(青)、Onyx社(白)の技適認証済ビーコン
Aplix社(黒)、Gimgle社(青)、Onyx社(白)の技適認証済ビーコン

 iBeacon/EddyStone(ビーコン)はモノ、人、場所に取り付け、BLE(Bluetooth Low Energy)を介して自身の識別子(UUID/UID) や距離情報等を送信します。その電波の到達距離は数十メートルで、 iPhone、Android、Raspberry Pi 等のBLE4.0対応端末で受信することができます。店舗、社屋、倉庫など比較的狭い範囲での利用が想定されます。

 

 当社では複数のメーカーのビーコンを使用し、検証・開発を行っております。お客様の要望によっては、数百のビーコンを使用したプロトタイプシステムを開発し、お客様に評価して頂くことも可能です。

シングルボードコンピュータ ― Raspberry Pi

Zero/Zero W/3 Model B ― GPSモジュールやデータ通信ドングル(図右下)の取付も可
Zero/Zero W/3 Model B ― GPSモジュールやデータ通信ドングル(図右下)の取付も可

 シングルボードコンピュータ(ここではRaspberry Pi)は文字通りコンピュータであるため多様な用途がありますが、倉庫等で製品に多数のビーコンを取り付けるような場合、ビーコン監視端末として利用できます(図1の右上)。Rapberry Pi は Wi-Fi 機能付き の Zero W が¥3000程度で調達可能で、広い倉庫や仕切りが多い建物内でビーコン付製品の管理するような場合でも、コストを抑えて多数の Raspberry Pi 監視端末を導入することができます。

スマートフォン/タブレット

 社外にあるモノ・人を管理する場合、Android や iOS 端末等を使用しDocomo等の移動体通信網を介してサーバに情報を送ります。

 

 画面等のユーザインタフェイスが複雑であったる操作性に重点を置くシステムでは、FileMaker と iPhone/iPad を用いてリッチなアプリを短期間で開発することができます。

 他方、多数の端末が必要でコスト抑制を優先するシステムでは、Android を運用プラットフォームとして Cordova(後述)等により開発を行います。Android は低価格商品が多くあり、FileMake Go ライセンスを必要としないため、導入コストと運用コストの両方を抑えられる可能性があります。


 開発するシステム仕様、予算、既存のデータベース等のシステム環境により、導入すべき端末も変わってきます。 

node.js/Cordova

  Raspberry Pi等の端末のアプリケーション開発には、世界最大と言われるライブラリを有する node.js を使用します。node.js で開発したアプリは、Windows/Macintosh/Linuxで利用できます。

 

 Android/iOS端末用の開発には、node.js に加えて cordova とそのプラグインを使用します。

node.js 及び cordova により、様々なプラットフォーム用のアプリケーションを短期間で開発することが可能となります。

FileMaker によるプロトタイプ作成

  FileMaker はRAD(高速アプリケーション開発ツール)として定評のあるデータベース・開発環境一体型アプリケーションです。2010年には iOS に対応する FileMaker Go がリリースされ、近年では iBeacon 関連開発に特化した関数等も実装されています。また、MySQL、Oracle、MS SQL Server、PostgreSQL、DB2 については ODBC を介して直接接続してデータ更新ができるため、これらのデータベースと連携したプロトタイプも開発可能です。

 

 IoT/M2M によるシステム構築を構想するときに、「実際に何ができるのか? 十分な実行速度を確保できるのか? UIやUXはユーザの要望を満たせるのか?といった課題や疑問を、本開発に突入する前に検証しておきたい。但し、コストは抑えたい」といった要求がある場合、FileMaker によるプロトタイプ開発は一考に値すると考えます。

FileMaker Server のアプリケーションサーバとしての利用

 FileMaker Server は文字通りFileMaker データベース用のサーバですが、アプリケーションサーバとしても利用できます。右図例では、各Raspberry Pi(ビーコン監視端末。以下、Pi)は各区画にある多数のビーコン情報を収集する機能(アプリ)を持つとともに、httpサーバとしてリクエストを待ち受けます。FileMaker Server が各Pi にビーコン情報を送信するようにリクエストすると、Pi からビーコン情報が返され、FileMaker Server はデータを加工し、データベースを更新します。データベースは FileMaker に限らず、MySQL、MS SQL Server、Oracle、PostgreSQL にも対応できます。

 

 詳しくは当社のBlog記事をご覧ください。

当社の IoT/M2M の業務に関するお問い合わせは、下記よりお寄せください。